建設業会計

従業員の旅費交通費精算とインボイスの保存

重要度
★★☆
費用目安
★☆☆

旅費交通費にかかる3つのインボイス特例

福岡県の建設業の経営者の方、経理担当の方にとって、インボイスは頭を悩ませる原因になっているかもしれません。

さて、今回は、旅費交通費のインボイスがテーマとなります。

旅費交通費に関するインボイスの特例は、通常の請求書や領収書の受け取りが難しい場合を除いて、仕入税額控除の条件となります。

旅費交通費に関する普段の経理業務で生じる困難な状況に対応するために、以下の3つの特例があります

公共交通機関特例

3万円未満の公共交通機関(船舶、バス、または鉄道)利用では、仕入側の会社は帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

適用するには、帳簿に「公共交通機関特例」等と記載する必要があります。

入場券等回収特例

3万円以上の公共交通機関利用で簡易請求書に記載された乗車券が回収される場合は、通常の記載事項に加えて、帳簿に「入場券等回収特例」等と記載し、原則的には、公共交通機関の住所なども記載する必要があります。

出張旅費特例

建設会社が従業員に出張旅費等を支給する場合、通常必要とされる部分については、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

この特例を適用するには、通常の記載事項に加えて、帳簿に「出張旅費等特例」などと記載する必要があります。

旅費規程に基づく立替経費精算書での精算

経費精算の手続きを複雑にすると混乱が生じるため、これまでの社内で使われてきた経費精算システムを維持しつつ、新たに必要な事項のみを追加することが良いでしょう。

例えば、公共交通機関利用時には、仕入れ先名の横にインボイス番号を記載し、「公共交通機関特例」と記載するなどの対応が考えられます。

従業員が取得した適格請求書に至るまでの情報を記録し、旅費交通費のインボイス保存について問題を解決するために、各社で処理手順を設定し、従業員に周知することが重要です。

会計システムのエラーメッセージへの対応

会計ソフトのインボイス制度に関連したエラーメッセージが作業の進行を停止させることがあります。

例えば、「課税仕入れとしていますが登録事業者ではありません」とか、「取引金額が1万円未満のため全額仕入控除できます(少額特例対象会社)」などのメッセージです。

これに加えて、インボイス番号の確認作業により経理担当の負担が増加しています。

各社の状況に応じて、エラーメッセージへの対処策を見つけ、作業時間の無駄をできるだけ減らすようにしましょう。